人気急上昇中の“酔いどれ物理”動画に映り込んだ心霊オーブ──その正体は、まだ起きていない死の予告だった

オーブがまた映っている。前回と同じ場所、トリニティの肩の上に浮かんでいる。

トリニティが最新エピソードをチェックする前に起きようと目覚ましをかけていた。オーブを探していたわけじゃない。すっかり忘れていた。ただコメントに目を通して、彼女を怒らせるようなことをほかに言っていないか確認したかっただけだ。

前回のエピソードのあと、ウェビゾードの担当者にメールして、私のオタク文化ネタに関する今後のコメントを削除できないか頼んだ。断られた。実際、もぐら叩きだ。一つ消しても、別のコメント主が自分が最初に気づいたと思って嬉々として参入し、宇宙がくれるご褒美を要求する。

ウェビゾードが断るのはわかっていた。それは最初の布石で、代わりに私のネタをトリニティが理解できなかったことを指摘するコメントの削除を頼めば、受け入れてもらいやすくなる。彼らは承諾したが、私はまだ確認していた。

最初のページを読み終えないうちに、誰かがオーブについて書いている。確認すると、やはり、そこにある。

前より明るい? いや、はっきりしている。月の反射みたいだ。影にクレーターのある青白い球。でもこの部屋に窓は一つだけで、それはカメラの後ろにあり、通過する車の光が入らないように遮光ブラインドが常に閉まっている。

コメントを読む。

schrodingers_cow: オーブに顔が見える。みんなもそう?
jazzhands1999: いや、電球の反射でしょ。
kalebsmom: 電球じゃない。オーブよ。私にも顔が見える。拡大して。目、口、鼻。全部ある。

動画を全画面に拡大する。確かに、目と口があるはずのあたりに黒いしみがある。でもそれは竜の形の雲を見つけるのと同じだ。人は見たいものを見る。そしてどうやら、人は幽霊を見たいらしい。

コメントをスクロールし続ける。私たちのエピソードについてもあるが、ますます多くなるのはオーブの話で、新規の視聴者はそれ目当てにチャンネルを訪れている。

ちょっとした宣伝効果に文句はない。でも本当の番組のためならよかった。ウェビゾードのマーケティング担当が言うように、人が来る理由は重要ではない。とにかく来てもらい、良い商品を見せれば、何人かは残る。おそらくそれこそ、トリニティが一年中タンクトップでいられるほど暖房を効かせる光熱費にウェビゾードが文句を言わない理由だ。

アスピリンを二錠口に入れていると、トリニティがいつものように爽やかで輝く目をして下りてくる。

「あなたの幽霊が戻ってきたわよ」キーボードを彼女の方へ回しながら言う。「ごめん、私たちの幽霊ね。コメントによれば、今度は顔があるらしい」

「何ですって?」彼女は本気でぎょっとしたようで、私は冗談を言った自分を責める。彼女はこういうものを信じている。私は急いで、明らかに照明の不具合であるものに顔は見えないと伝える。

彼女がコメントに目を通す間、私は言う。「で、問題はこの異常を調査するかどうかよ」

彼女は青ざめる。「幽霊を調査する? 冗談でしょう、ハンナ。そういうことに関わっちゃだめよ」

「光の本当の原因を調べるって意味。反射の正体を。科学者としての信条に従って、幽霊退治の調査をするか……それとも、再生数が伸びるなら人々に幽霊だと思わせ続けるか」

彼女は答えない。コメントの一部で目を止めている。私が台所へ向かおうとすると、彼女が言う。「これらに目を通したと思ったけど」

「通したわよ」

「それで、これを黙ってるつもりだったの?」彼女の爪が画面を突き、映像が震える。

私はコメントを読む。

gonegirl5: 私が見えてるでしょ。わかってる。
gonegirl5: 本当に逃げおおせると思ってたの?

「ええ」私は言う。「読んだわ。出所不明のたわごと。どうやって管理をすり抜けたのかしら。ときどき、本当に人が監視してるのか、キーワードを探すだけのボットなのか疑うわ」

「ウェビゾードは人間だと言ったわ。契約で保証してる」

「それならキーワードを探すだけのインターンで、あのコメントには何もないから無視したのよ。伝えておく」

***

次のエピソードのあと、トリニティに激しく揺さぶられて目を覚ます。私は思わず、自分らしくない唸り声をあげて跳ね起きた。

「そういうのやめてくれない?」座って目をこすりながらつぶやく。

「起きなかったからよ。まだ酔ってるのね」

「ええ、テキーラ六杯飲めばそうもなるわ。あの忌々しいチャレンジを受けるのはやめましょう」

文句を言っているが、本当はショットを水で薄めたので、ほとんど二日酔いではない。トリニティはピリピリしている。昨日、彼女が撮影で着る予定だった新しいクラブ用のドレスを横目で見てしまったのがまずかった。キラキラした小さな布地を見ながら「くそ、あれが着られたらなあ」と思っただけなのに、彼女は私の視線を批判と受け取り、着替える間撮影を遅らせた。彼女がいない間に私はテキーラを水で薄めた。少しのことでまた彼女が爆発するのは目に見えていたからだ。

私たちの統計をちらりと見る。視聴数は五割増し。コメントは二倍。リンク共有は三倍。

「うげ」私は言う。「カスパーがまた来たわね」

「面白がってくれて嬉しいわ。これはどう?」彼女は二つのコメントを指さす。

gonegirl5: 私がいなくなったと思った? 逃げおおせたと思った?
gonegirl5: 私は死んだ。あんたのせいよ。みんなに知らせてやる。

私は忍び笑いをする。

トリニティがゆっくりと私に向き直る。「あんたは何でも面白いと思うんでしょ、ハンナ?」

「いいえ。ただ、これは面白いと思う」私は不気味な声でコメントを読み上げる。「B級映画のセリフよ。『ラストサマー』。実際にそう書いてないのが不思議。あからさますぎるのかもね」

「誰かが私を、自分の死の責任者だと言ってるのよ、ハンナ。それはどう考えても面白くない」

「あなた?」私はコメントをもう一度読む。「これがあなたについてだとはどこにも書いてないわ、トリニティ」

彼女はオーブを指さす。前よりはっきりしている? そう見える。目と、それから──のようなものが確かに見える。

私はその考えを振り払う。暗示の力だ。

「やっぱりこれがあなたについてだとはわからない」

「私の肩の上にいるじゃない。幽霊はいつもあそこ、私の隣にいる」

「トリニティ」できる限り慎重に言う。「あれは幽霊ではないわ。照明の異常よ。一人がオーブだと言えば、突然みんなが霊を見て、誰かがさらに一歩進んで私たちを殺人で非難する」

「『殺人』とは書いてない。ただ私たちに責任があると書いてあるだけ」

「たぶん管理に引っかからなかったのはそのせいよ。インターンの監視リストにある言葉が一つもない。報告しておく」何回かキーを叩く。「そして、これが心霊オーブじゃないと証明しましょう。あなたが動揺するなら、再生数が伸びても割に合わない」

「私が大げさだと思ってるのね」

「いいえ、当然ながら気味が悪いと思うわ。何が起きてるか突き止める。次の番組はお化けなしよ」

***

「そこにはない」トリニティがささやく。

目の前の画面は二分割されている。一方は二週間前のオンライン版で、オーブが最もはっきりしている場面で一時停止してある。もう一方はカメラからの直接映像を同じ位置で止めたものだ。

元の映像にはオーブはない。

昨夜の番組から始めた。そこにオーブが見つからなかったので、前回の番組に遡った。同じだった。今は最初の回を見ている。オンライン版には紛れもなくオーブがあり、元映像には迷光の気配すらない。

物音がして見ると、トリニティがマウスを握りしめ、手が震えて机にカタカタ当たっている。

「ねえ」彼女の腕を軽く握って言う。「これはいい知らせよ。オーブは私たち側で発生したものじゃない。幽霊ではないのは確か。誰かがオンライン版を改ざんしたの」

彼女はうつろな目で私を見る。

「誰かがエピソードを改ざんしたの」もう一度、ゆっくり言う。「バックエンドで起きてる。ウェビゾードで。アップロードされた動画に手を加えてる」

「なぜそんなことを?」

「視聴数稼ぎのためよ」あからさまだとは言わずにすんだ。「誰かが考えたマーケティング策。たぶん最初にオーブを幽霊だと決めつけるコメントもそいつの仕業。インターンでしょ? 上司を感心させたくて創造的な企画をやってる、どこかのマーケ気取りの若造」

トリニティは力なくうなずく。「わかったわ」

「私たちは──」携帯が鳴る。画面にウェビゾードの番号が表示される。「完璧なタイミング。私が対応する。インターンの首が飛ぶわ」

***

電話の私は、頭の中ほど強気ではない。礼儀正しく落ち着いている。担当のオスカーは、私が通報したコメントの件で連絡してきたが、まず動画の話がしたい。元映像を調べたが、オーブの形跡はないと説明する。それから、飲み込む間を与える。

彼は長いこと黙り、私が口を挟もうとしたとき、あの話し方で話し出す。本人は優しいつもりだろうが、実に上から目線だ。トリニティは私が彼女の不安に応えるとき、こんなふうに聞こえているのだろうか。くそ。もっと気をつけなければ。「優しさ」と「上から目線」の境目は微妙で、私はオスカーと同じくらい踏み越えているかもしれない。

「ハンナ、お二人がご自身の番組の成功に非常に力を注いでいるのは承知しています。我々も同じです。ですが、もしマーケティングのアイデアをお持ちなら、まず我々のチームに通してください。我々はそのためにいるのです」

「マーケティングのアイデア?」

「あなた方のブランドは科学です」彼は同じゆっくりとした上から目線で言う。「お二人は優秀な女性で、酔っていても複雑な概念を、知的かつ面白く説明する。素晴らしい商品です。それを濁らせる必要はありません……」彼は言葉を探すように間を置く。「ブランドに合わない演出で」

「私たちがやってると思ってる? アップロードした映像には映っていないと言ったでしょ──」

「統計が跳ねたのはご存じでしょうが、間違った視聴者を集めています。ブランドを薄める視聴者です」

「私たちは──」

「お二人がオーブについて番組内で触れていないのに気づいていました。存在に気づいていないのかとも思いました。照明を調整するよう伝えるべきか検討していたところです。ですが、マーケティング策だとしたら? それは契約違反になります」

「私たちが置いたんじゃない。あんなもの要らない。元映像にないということは、工程の反対側から来てるのよ」

長い沈黙。「我々がやっていると?」

「正直どうでもいい。ただやめさせて。動揺して──」聞き耳を立てるトリニティをちらりと見る。「私たちが動揺してる。それで、私が最初に連絡したのは別のこと。あのコメントよ。『殺人』という言葉がないから管理を通り抜けるんだと思う。モデレーターにもっと気をつけるように言って」

「その件で電話したのです、ハンナ。コメントについて話そうと。あれは管理を回避しています」

「そう。モデレーターが通して──」

「いえ、管理を回避しているのです。そしてそれを実行できるのは、お二人が共有しているアカウントだけです」

「確かに私たちのアカウントは非管理だけど……待って。それって──?」

トリニティがスピーカーを押す。「オスカー? トリニティよ。誰かが私たちのコンピュータからあのコメントを投稿したと言ってるの?」

「そうです」と彼は言う。

「電話は家の中からかかってきている」と私は不気味に言う。

彼女は私を睨む。

「つまり誰かが私たちのアカウントをハッキングしたのよ」

オスカーは答えない。

「IPアドレスを追跡して。コメントがどこから来たのか正確に調べて」

さらに沈黙。

「もう調べたんでしょ?」慎重に言う。

「ええ」

何がわかったか、尋ねるまでもない。

本当に、それは家の中から発信されていたのだ。

***