迷いの道
フランクリンでは、毎年ハロウィンの夜になると、必ず子どもが一人、道に迷って家に帰ってこなくなる。
翌朝、学校が始まる前、子どもたちは校庭に集まり、誰がいなくなったのかを探り合った。友達の姿を見つければほっとし、嫌いな相手の姿を見つければがっかりした。ベルが鳴り、列になって教室に入る。教室の席が全部埋まっていれば、満足したふりでうなずく。でも心の奥底では、クラスメイトが消えるという『非日常の興奮』を奪われたようで、どこか不満だった。
空いた机が自分たちの教室にあったときは、先生がこう言って授業を始めた。「ジューンはもう私たちのもとを去りました。彼女の席に移りたい人は、昼食のあとにどうぞ。休み時間に荷物を片づけていいですよ」。休み時間になると、ジューンが残した高級な万年筆や、角の折れた『シャーロットのおくりもの』を誰がもらうかで言い争いになった。小声でだ。大声を出すのは、死者への冒涜だった。
と言っても、ジューンが死んだと知っていたわけではない。誰もそんなことは口にしなかった。葬式もなかった。町の共同墓地に新しい墓石が建つこともなかった。家族でさえ、何事もなかったかのように暮らし続けた。まるで、彼女がただ大人になって町を出て、戻ってこなくなっただけのように。
でも、俺たち子どもは知っていた。ジューンは死んだのだと。ただ、わかっていた。
質問をしてはいけないことも、俺たちは知っていた。家に帰ってからもそれを守り通せた子がどれだけいたかはわからない。俺はだいたい守っていたが、それでも時々、口に出さずにはいられなかった。最初に口にしたのは、九歳のとき、ビリー・カーソンが消えたあとのことだったと記憶している。
ビリーのことは知っていた。好きではなかった。隣に住んでいて、うちの犬をよくいじめていた。フェンスの向こうに餌を差し出しておいて、食いつこうとすると引っ込める。うちの犬スキャンプがフェンスにぶつかると、げらげら笑った。
それでも、ハロウィンに消えた子どもで、俺が実際に知っているのはビリーが初めてだった。だから当然、母さんに何があったのか聞いた。キッチンでのことだ。俺はカウンターのそばのスツールに座り、母さんがスープ用のにんじんを刻むのを見ながら、ビリー・カーソンのことを聞いた。
「道に迷ったのよ」母さんは刻む手を休めずに言った。
「どうやって?」
母さんは肩をすくめた。「ただ、迷ったの。そういうこともあるのよ」
三年後、スー・パーカーが消えたあと、俺は同じスツールに座っていた。母さんがパイ生地を伸ばす横で、スニーカーのかかとをスツールの脚にコツコツ当てながら。
「スーのことは好きだった」と俺は言った。
母さんは生地を伸ばし続けた。五分ほどしてから、俺はもう一度言った。「スーのことは好きだった」
「わかってるわ」
「きれいだった」
「そうね」
「優しかった」
「ええ」
「でも、道に迷ったの?」
母さんは袋から小麦粉を出し、パラパラとふりかけた。「そうよ」
「ゆうべ、トリック・オア・トリートのときに、スーを見た気がした」
母さんの手が止まった。粉をまぶした台の上で、手が宙に浮いたまま。
「森を横切ってた」と俺は言った。「あそこなの? 森で起きるの?」
母さんは生地に手を伸ばした。「そうよ」
「じゃあ、ハロウィンの夜に森を避ければ、道に迷わないで済む?」
「そう。ハロウィンの夜は森を避けなさい」母さんは生地を置き、ためらい、それから俺の目を見た。「お願いだから」
わかった、と言った。
嘘だった。
***
次のハロウィンの夜、俺は森を避けなかった。その次のハロウィンも。できなかったのだ。何が起きているのか、自分の目で確かめたかった。
ハロウィンの夜、俺は友達と家々を駆け回り、母さんに怪しまれない程度にお菓子を集めると、森へ入った。そして、見て、聞いて、待った。
悲鳴が聞こえるたびに飛び上がったが、それは遠くの誰かが、怖がるふりをして上げている声にすぎなかった。落ち葉がガサガサと音を立てれば身をすくめたが、それは隠れていたウサギやシカをうっかり驚かせてしまっただけだった。
誰も森には入ってこなかった。近づく者さえいなかった。森の縁に住む人々は、トリック・オア・トリートの子どもたちを追い払うために、明かりを消していた。だから、その夜も、何も異常は見られなかった。それでも翌朝には、必ず子どもが一人いなくなっていた。机は空になり、持ち物は分配された。
子どもたちはひそひそと噂した。いつもそうだった。毎年誰かが、ハロウィンの夜にいなくなった子を見たと言い出した。その子が森へ向かうのを見たと。止めようとした、警告した、呼び戻そうとした、という子もいた。でも無駄だった、と彼らは言った。森の中へ歩いていくのを、なすすべもなく見ているしかなかった……そして、二度と出てこなかった、と。
俺は二年続けてハロウィンの夜に森を見張ったが、何も見なかった。
十五歳になる年、俺は見張るのをやめることにした。トリック・オア・トリートは今年が最後。思い切り楽しもう。ハロウィンの夜に森へ分け入るような馬鹿な子は、もう知ったことじゃない。そう自分に言い聞かせ、最後の一度、袋も思い出もいっぱいにしようと決めた。
ハロウィンの日、学校から帰ると、リッチー・ギブソンがいた。俺のスツールに座って、母さんが夕食を作るのを見ていた。
リッチーは八歳。生まれてからずっと同じ通りに住んでいたが、今年までは、ただの近所の子にすぎなかった。それが、リッチーの母親が癌になり、母さんは近所の女たちと一緒に助けに入った。食事を届け、リッチーとその父親の面倒を見た。
リッチーの母親が亡くなったのは半年前だ。その後、ほかの女たちは自分の生活に戻っていった。彼女が死んだ時点で自分たちの務めは終わった、と言わんばかりに。リッチーが今まで以上に誰かを必要としていることも忘れて。でも、母さんは忘れなかった。リッチーは週に何日か、うちで夕食を食べるようになった。俺たち親子は二人きりだったから、食卓に空席はいつでもあった。
リッチーのことは好きだった。いい子で、俺を慕ってくれた。後ろをついて回り、週末は一緒に遊びたがった。俺のことを世界一かっこいい兄貴みたいに思ってくれていて、それが嬉しかった。
やがてリッチーの父親も夕食を食べに来るようになった。食後はキッチンに残って母さんの後片づけを手伝い、二人の話し声が聞こえてきて……まあ、二人の間に何かあるのかはわからなかったが、そうなっても構わなかった。俺の父親は俺が生まれた直後に死んでいたし、ギブソンさんはリッチーと同じで、いい人だった。
でもその日、夕食に来たのはリッチーだけだった。食後、母さんは、もう帰ってハロウィンの準備をしなさい、と言った。
「デイルは何になるの?」リッチーが聞いた。
「カウボーイだ」腰の両側から六連発の拳銃を引き抜く真似をすると、リッチーは笑った。
「かっこいいな」リッチーは言った。「僕はおばけ。今年も。パパがそれしか思いつかなかったんだ」
「あら、リッチー」母さんがキッチンから出てきて言った。「知ってたら、衣装を作ってあげたのに」
リッチーは肩をすくめた。「おばけでもいいよ。でも、カウボーイのほうがずっとかっこいい」それから、恥ずかしそうに俺を見上げた。「一緒に行けるかな。僕、デイルの拳銃を持ってあげられるよ」
俺は少し迷ってから言った。「いいよ、一緒に行こう」
「だめよ」母さんがふきんで手を拭きながら言った。「ごめんね、リッチー。でも、今年はデイルの最後のハロウィンだから、お友達と過ごしたいと思うの」
「大丈夫だよ」と俺は言った。「みんなわかってくれるって——」
「だめ」母さんはふきんを置くと、電話に向かった。「ウェブスターさんに電話するわ。あの人、自分のお子さんたちと一緒に何人か連れて回ってるから、リッチーも入れてもらえるはずよ」
「来年な」俺はリッチーに囁いた。「来年は俺が付き添って、二人だけで回ろう。でも今年は、よかったら俺の拳銃を一丁やるよ。カウボーイのおばけだ」
リッチーの細い顔がぱっと輝いた。「それ、かっこいい!」
俺は肩をポンと叩いた。「よし。ちょっと取ってくる」
***
友達と遅くまでトリック・オア・トリートをして回った。家に向かう途中、足が勝手に森の方へ向いていた。自分でもどうにもならなかった。
もうすぐ森というところで、森に沿った道を一人とぼとぼ歩く人影に気づいた。白いシーツをかぶった姿。おばけだ。片手にお菓子の袋、もう一方の手には……おもちゃの拳銃を持っている。
「おい、リッチー!」声をかけ、小走りになった。
リッチーは足をゆるめた。俺も立ち止まり、待とうとした。でも、リッチーは細い路地を曲がるために速度を落としただけだった。
ウェブスターさんのところから抜け出したに違いない。十何人も仮装した子どもを一人で見ていれば、一人くらいいなくなっても不思議じゃない。リッチーは気後れして、一人で回ろうと抜け出したんだろう。かわいそうに。
家の明かりは消えていた。俺はまた小走りになった。遅いからもう帰る時間だ、とリッチーに伝えるために。でも、家に着くと、ポーチには誰もいなかった。中に招き入れられたのかもしれないと思い、玄関まで走ってドアをノックした。
返事はない。覗き込むと、家の中は暗かった。
そのとき、枯れ葉を踏みしめる音が聞こえた。音を追って裏庭へ回ると、白いシーツ姿が森へ入っていくのが、かろうじて見えた。
「リッチー! だめだ!」
俺はお菓子の袋を落とし、必死で追いかけた。叫び続けた。聞こえないはずがないほど、大声で。でもリッチーは止まらない。振り返らない。ただ歩き続けるだけだ。
リッチーは森の中へまっすぐ進み、下草をかき分けていった。俺はつまずきながら追いかけた。足がつるに取られ、茂みに引っかかった。
「リッチー! 待ってくれ!」
リッチーは木の密集した場所へ足を踏み入れ……その白い目印は、消えた。
俺は全力で走った。よろめき、つまずき、木をつかんで体勢を保ちながら。茂みにたどり着き、木々を抜けて飛び出したが……
何もない。
振り返り、暗闇に目を凝らした。
リッチーの白いシーツは、どこにもなかった。
名前を叫んでも、返ってくるのは自分の声のこだまだけだった。森は静まり返っていた。
完全な静寂。不気味な静けさ。
そのとき、小枝が折れる音がして、俺は振り返った。
「リッチー?」
何もない。
今度はすぐ左で、枯れ葉がガサリと鳴った。俺はよろめいて後ずさった。
「リッチー?」背筋を冷たいものが這い上がり、声が震えた。
そして、木々の向こうに、形が見えた。でも、シーツをかぶった小さな男の子じゃない。俺より大きな、黒い影だった。
最初はそれだけだった。大きな黒い影。でも次の瞬間、目が見えた。赤く光る目だ。
口が開いた。歯がぎらりと光る。唸り声が夜の空気を震わせた。
俺は走った。
道があった。運が味方した。どうにか小道を見つけ、全速力で走ることができた。
死に物狂いで走った。肺が焼け、ふくらはぎが悲鳴を上げるまで走った。その間ずっと、あの生き物がすぐ背後にいるのがわかった。地面を踏み鳴らす足音、荒い息遣い、飛びかかって空振りするときの唸り声。
森は五エーカーもない。この道は外に出られるはずだった。どの道もそうだ。中にはハイキングや犬の散歩用の小道が迷路のように入り組んでいたが、どれもつながっていて、外に出られた。なのに、分かれ道が一切見えない。道の終わりも見えない。木々の向こうに家の明かりも、見覚えのある目印もない。
ありえない。過去二年のハロウィンの夜、俺はこの森で過ごした。切り株の一つひとつを知っている。壊れかけた砦も。枝に引っかけられた靴の一つひとつも。でも、ここには見覚えのあるものが何一つない。出口を示すものも、何もない。
道に迷ったのよ。
森では時々、そういうことがあるの。
俺はようやく理解した。どうやって起きるのかを。分別のある子どもたちが、なぜハロウィンの夜に森へ入ってしまうのか。彼らは別の子ども——リッチーのような子を追いかけたのだ。森の中まで追いかけ、そこで何かが起きる。突然、そこはもういつもの森ではない。追いかけていたのは迷子の子どもではなく、怪物で、出口はない。迷う以外に、道はない。
俺は道を外れた。それしか思いつかなかった。
道は本来、行き先を示してくれるものだ。迷わないようにしてくれるものだ。でも、この道は違った。俺を迷わせていた。迷ったままにしていた。だから道を捨てた。
小道を外れて森の中へ突っ込んだ。茂みを避け、倒木を飛び越えた。背後にいるものは無視した。走ることだけに集中した。ただ、走る。
そして、見えた。明かりだ。すぐ先に。
明かりに向かって走りながらも、これは罠だと思っていた。絶対にたどり着けない。たとえたどり着けたとしても、今度は別の怪物にぶつかるだけだ。でも、それしかなかった。だから身をかがめて、全力で走って——
森から飛び出した勢いで、濡れた芝生の上を滑って、思いきり顔から転んだ。
ひっくり返り、追ってきたものに立ち向かおうと身構えた。でも、何もいない。芝生の上に倒れている俺だけだ。どこかの家の裏庭だった。
頭を上げて周りを見た。森に入った場所から、二軒分しか離れていない。それだけだ。何時間も走った気がしたのに、百フィートも移動していなかった。
まばたきして、あたりを見回す。それから、笑った。
やった。謎を解いた。生き延びた。道に迷わずに、生き延びたんだ。
呼吸が整うと、立ち上がってジーンズの土を払った。二軒先に落としたお菓子の袋を回収して、家に帰った。
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