トミーに森へ近づくなと言われてから、あたしは逆に、前よりも頻繁に森へ通った。そうせずには、いられなかった。昔は、家事から逃げていた。今は、人生から逃げている。
「あんた、幸せじゃないでしょう」と、アメリアは空き地をくるくる回りながら言った。「見れば分かるわ」
「あたし、普段は幸せそう?」
「そうでもないけど、悲しくもなかった。今は、悲しい。その直し方を、私は知っているの」
あたしは答えなかった。
彼女は踊り続け、あたしの目の前まで来た。彼女は、町のピクニックのときと、少しも変わらない姿だった。かわいいピンクのドレス、洗いたての顔、完璧な巻き毛。永遠に、十二歳。永遠に、遊んで。永遠に、踊って。
「仲間になりなさいよ」と彼女は言った。
彼女はあたしの周りを回った。スカートをふわりと膨らませながら。
「仲間になって。一緒に踊って、遊んで。そうすれば、あんたも幸せになれるわ」
「違う。幸せになるのはあなたよ」
彼女はただ笑った。「ええ、私も。あんたが仲間になってくれたら、私はもう一人じゃなくなる。一人は嫌い。あんたがいなくなると、ここは寒くなるの。寒くて、暗いの」
「ごめんなさい」
「謝らないで。ただ、いいよって言って——」
空き地の端に人影が現れ、彼女は金切り声を上げた。振り返ると、トミーが立っていた。
「近づくなと言ったはずだ」と、彼は言った。
あたしは、森のほうへ後ずさった。「あたしは、ただ——」
「俺が夕飯に来ると分かっていて、わざとここへ抜け出した。俺を怒らせようとしたんだな」
「違う。違うの。忘れてたの」
「忘れてた? それが言い訳か?」
あたしは後ずさりし続け、空き地から離れた。アメリアが叫んだが、彼には聞こえない。見えもしない。彼は怒りで顔を歪め、あたしに迫ってきた。
「どっちがタチが悪いか、分からないな」と彼は言った。「俺が来るのを忘れていたことか、忘れていたからといって、俺の目を盗んでここへ抜け出したことか」
「ご、ごめんなさい」
彼は飛びかかり、あたしの腕をつかんだ。
「もうすぐ俺の妻になる女が、森を走り回って、独り言を言って、子どもみたいな真似をしやがって」彼はあたしを引き寄せた。息から、エール酒の匂いがした。「それとも、妖精とでも通じ合っているのか?」
「な、なにを——」
彼は親指で空き地をぐいと指した。「あそこは、妖精の空き地だ。婆ちゃんが教えてくれた。妖精と交信する娘たちのこともな。邪な娘たちだ」
「ち、違う。あたしは——」
彼はあたしを抱き寄せ、スカートをまくり上げた。汗ばんだ手が、太ももに触れた。
「お前は邪な娘か?」と、彼は耳元で囁いた。「裸で妖精と踊るのか?」
あたしは、這うように逃げた。彼が、つかみかかってきた。あたしはよろけて、四つん這いに倒れた。彼があたしに覆いかぶさり、仰向けにひっくり返すと、また手がスカートの下へ潜り込んできた。
「もうすぐ夫婦になるんだ」と彼は言った。「そうなりゃ、何をしてもいいんだぜ」彼はあたしを見下ろし、にやりと笑った。「だから、今のうちに慣れておいたほうがいい」
ヒッと悲鳴を押し殺して、後ずさった。彼は、もたつきながらスカートを押し上げようとした。彼が目を逸らした瞬間、あたしは頭の上に手を伸ばし、置いておいた石をつかんだ。彼の頭めがけて、振り下ろした。満足のいく、ぐしゃりという音がした。
あの音を、あたしは聞いたことがあった。あの日、アメリア・カーターが、町のピクニックからここまで、あたしを追いかけてきた日に。
彼女は追いかけてきて、あたしをつかまえて、言った。彼女のパパが来たのは、靴下の繕いなどではない、と。じゃあ、何をしに来たのか。彼女はそれを見たのだと言った。
そして、あたしの母を売女と呼んだ。あたしのことも、同じように呼んだ。
あたしは言い返した。校舎の裏でトミー・ライオンズにキスを許したのは、あたしじゃない、と。
彼女が襲いかかってきたのは、そのときだった。あたしは石をつかみ、彼女の頭を殴った。ただ、やめさせるつもりだった。望みは、それだけだった。自由になって、逃げたかった。
だが、石がアメリアのこめかみに当たると、彼女は倒れた。そして、二度と起き上がらなかった。
トミーは起き上がった。起き上がろうとした。少なくとも、呆然とし、まばたきしながら。あたしは、もっと強く殴った。ずっと昔、アメリアがそうなったように、彼がぴたりと動かなくなるまで、殴り続けた。
彼が二度と起き上がらないと確かめてから、あたしは、前に隠しておいた鋤を持って空き地へ戻った。アメリアは、何も言わなかった。あたしが掘るのを、ただ見ていた。それから、あたしがトミーの身体を引きずっていくと、穴の中に彼を横たえるのを見て、彼女は嬉しそうに手を叩いた。
***
家の裏手の森の中には、ぽっかりと開けた空き地があって、そこに遊んでいる亡霊がいる。
でも、彼女はもう、寂しくはない。





